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第7回 シックハウス問題を考え直す
更新日:2018/10/5
平成15年7月1日の建築基準法改正で、シックハウス対策(建材のホルムアルデヒド規制、24時間換気設備の設置など)が義務づけられてから、約15年が経過しました。今やあらゆる建材にF☆☆☆☆表示がされるようになり、ホルムアルデヒド以外の揮発性有機化合物(VOC)のについての室内濃度の指針値も、昨年に改定や追加が行われ、今やシックハウス問題は一応の解決を見たようにも思えます。
しかし、本当にシックハウスで悩む人はいなくなったのでしょうか。今一度考えてみたいと思います。
シックハウスを引き起こすVOCの発生源は、何も建材ばかりではありません。身近な発生源のひとつとして、家具が挙げられます。そこそこの価格で、おしゃれなデザインの家具を販売する大型量販店の人気は高く、お客さんが買って使っていたという場面に遭遇した方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、コストダウンのために安価な材料を使っているせいか、VOC対策がおざなりになっている製品が出回っているのもまた事実のようです。東京都生活文化局消費生活部の調査によると、インターネット通販で購入した収納家具計30体(うち10体は低ホルムアルデヒド表示あり)中、7体にF☆レベル、10体にF☆☆レベルの部位があることが発覚。特に背面や、引き出しの裏板で高濃度が検出される例が多く、またMDFが多く使われている傾向が明らかになりました。
さらに、高濃度が検出された家具(15体)を置いた室内のホルムアルデヒド濃度を測定したところ、6体は24時間後のホルムアルデヒド室内濃度が、厚生労働省の指針値(0.08rpm)を上回る数値に達しました。ひどいものでは4倍を記録したものも存在。同調査では、指針値を一時的に、わずかに超えても直ちに健康への害はないとされつつ「収納家具は日常生活に密着した商品であり、長期にわたり影響を及ぼす可能性があることから、家具から放散されるホルムアルデヒドを低減する対策が重要」だとしています。
VOC濃度の高い家具は、中に入れた衣類などにも影響を及ぼします。ホルムアルデヒドを放散する家具内に、乳幼児用の衣類をしまうと、24時間後には家庭用品規制法(有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律)の規制値・16ppmを超えており、衣類にホルムアルデヒドが移ってしまうことも確認されました。
また、近年DIYがちょっとしたブームになっていますが、DIYもシックハウスの原因になる恐れがあるのではないか、個人的に不安を感じています。
まずは塗料や接着剤。ホームセンターに行けば多種多様な塗料、接着剤が販売されていますが、ご存知の通りVOCが含まれているものも少なくありません。建築基準法で使用が規制されている塗料もありますが、DIYではこの規制を受けるわけではありません。家庭用の製品は、メーカーもVOCに配慮して開発しているようですので、あまり神経質にならなくてもよいのかもしれませんが……。
合板も、建築用ならF☆☆☆☆が当たり前ですが、それ以外の用途で売られているものだってあります。F☆やF☆☆の合板を使ってしまう可能性がないとはいえないのではないでしょうか。DIYそのものは、住まいへのかかわり方を見直すという意味で大きな可能性を秘めていると思いますが、一定の知識、リテラシーも要求します。専門家の皆様には、住まいづくりを通じて、住まい手のリテラシーを高めることも意識してほしいと思います。
寄稿:A(住宅ジャーナリスト)